ミシン修理ブログ第70回 brother 職業用ミシン Nouvelle250 動かない

 

 

  皆さん、こんにちは!スタッフです(*'ω'*)

 12月も半ばになり、あっという間に年末が来そうですね

 最近まで昼間は少し暖かいなぁと思っていましたが、ここ2日くらいは底冷えがします。

 体調を崩す方も多いみたいですし、コロナやインフルエンザも心配です。

 しっかりと対策をして気を付けていきたいですね。

 

  さて、今回はブラザーの職業用ミシン Nouvelle250です。

 男性の方が、「母親のミシンなんですけど、全く動かないんです。直りますか?」と

 言って来店されました。詳しくお聞きすると、10年程使っていなかったとのこと。

 動かなくなったから使っていなかったのか、使っていなかったから動かなくなったのか

 記憶が曖昧でよく分からないと言っておられました。

 その男性の方も機械屋さんなので、ミシンの状態を見て、シャフトが錆ついたのだろうと思い、

 CRCをたっぷり吹きかけ一昼夜おいて金槌でたたいてみたり、

 プーリーを思い切り回したりしてみたが全く駄目だったそうです。

 また、プーリーとシャフトが一体型のものなのに、それを壊してしまったと頭をかいておられました。

 

 専門家ならどうやって直すのか聞かれたので、「そんな時は一気にやっても無理なので、

 動きそうなところをブロック単位で分解して不良箇所を見つけ、そこを修理してから組み直します」

 とお話しました。

 他店では、「新しいものを買うくらい修理代がかかるから、これを下取りに出して

 新しいのを買いなさい」と勧められたそうですが、納得できず、持ち帰ってきたとのことでした。

 

 私も最初は釜に折れた針が喰い込んだか、もしくは糸の喰い込みではないかと思っていましたが、

 針と釜の回り止めを外してみると内釜はくるくる回ります。

 あとはクランクシャフトの焼き付き、油不足が考えられますが、こちらも全く問題ありません。

 あちこち分解してようやく見つけた不良箇所は、なんと!!「針棒抱きシャフトの焼き付き」でした。

 Nouvelle01.JPG

 これを何とか分解して内部研磨、そして油を注し、組み込みました。

 この場所が焼き付いた状態になるのは、とても珍しいです。

 Nouvelle02.JPG

 また、あちらこちらにハンマーで叩いたことによる歪みがあり、プーリーと一体式のシャフトを

 壊してしまっているので、本来なら新品の部品に交換をします。

 しかし、新型コロナウイルスの影響でミシンの部品がすぐ手に入らない状況の為、

 なんとか修理して組み込みました。

 Nouvelle03.JPG

 後日、引き取りに来られた際に、「これは私の宝物なんですよ。あちこちいじり過ぎたから

 正直直らないんじゃないかと思っていました。こんな金額で直して貰って、本当に合うんですか?」と

 心配されてしまいました(笑)

 ですが、色んな修理が来て、故障の原因も箇所もさまざまで私の方もとても勉強になります。

 同じような症状でお困りの方、他店で直せないと言われた方も是非一度当店にお越しください!(^^)!