ミシン修理ブログ第32回 番外編(1):スイス製 ファッションプレス 修理

 

  みなさん、こんにちは!スタッフです(*^-^*)

 師走ですね~。こんなに早く1年の終わりが来るなんて…。

 毎年の事ですが、社会人になってからの1年は本当に早く、

 何があったと聞かれても思い出せないくらいです。

 師走といえば私の家は毎年、大掃除と餅つきがあります。

 今年も家族全員で年を越せるようにお祈りしながら、

 この12月駆け抜けたいと思っています(^^)!

 

  さて、今回の修理ブログは、初の番外編です!

 ご依頼があったのは、スイス製のファッションプレス。

 ベビーロックさんで20年ほど前に取り扱っておられたようです。

 内職で布をプレスされている方からの修理依頼でした。

 布に他の布を貼り合わせたり、しわを綺麗に伸ばしたりする

 仕事に使っておられました。

 

 購入されたお店や色んなミシン屋さんに問い合わせても、

 「今はもう扱っていないからどうしようもない」という返事で困っていたとのこと。

 知り合いの方から「あそこなら何とかしてくれるかも…。」と聞き、

 当店に電話を掛けて来られたそうです。

 

  最初、業務用のアイロンという話だったので、ベビーロックのスチームアイロンを

 持って訪問したのですが、プレスだったので、ベビーロックさんに

 問い合わせてみました。ところが、

 「今はメーカーさんとの取引きがないので修理は受け付けられない」とのこと。

 

 ジャノメさんが3年ほど前にエルナプレスとしてカタログを持って来られていたのを

 思い出し、お客様が、直らなければ買う予定でおられたので、問い合わせました。

 しかし、メーカーさん曰く、「国内では全くといっていいほど、売れなかったので、

 今は取扱いをしていない。国内で取り扱っている所は無いはずです。」とのこと。

 当時貰ったカタログを見ると13万円以上します。

 形状などをみると、どうもスイスの同じメーカーのようです。

 他に入荷する予定が立たないので、お客様に、しばらくの間、

 効率が悪いがアイロンで作業をやっていただき、修理を引き受けることにしました。

 

  分解してみると、プレスする時の圧縮スプリング(6.5mm線径)が3ヶ所で折れています。

 また、熱で、ベークライトやスイッチなどが炭化してボロボロと壊れてきます。

 さらに一番肝心なサーモスタットが動きません。

 一応、設計の図面を引き、国産の材料が揃うかどうか、

 機械部品の専門店に当たってみました。

 ファッションプレス01.JPG

  まず、線径6.5mmで巻きの状態、内径20mmというのはJIS規格では無いようで

 おそらくメーカーが特注したものではないかという話でした。

 JIS規格で、線径4.5mmで内径20mmというのを探し、それを使用することにしました。

 

 途中の配線は、工事に使う1.6Φ心線を使用することにし、スイッチは

 少し大きくなりますが、屋内配線に使用するものを利用しました。

 サーモスタットも既存のを調整し、なんとか動かせるようになりました。

 ファッションプレス02.JPG

  実際に組んで、試運転してみると、色んな問題が出て来ました。

 プレスを圧縮す為の圧縮スプリングの線径が細いため、

 パワー不足で上にプレスを持ち上げても下がってきます。

 元のスプリングの1/3程を入れて安全のため、ゴム板を加工して

 ブレーキを作り、なんとか解決しました。

 ファッションプレス03.JPG

 いろいろ試行錯誤をしながら完成し、お客様の元へ

 無事納品することが出来ました。

 20日ほど掛かり、お客様も諦めておられた様子でした。

 しかし、納品し、実際に運転してみると、バネも適当で

 「以前はプレスする際、力が強すぎてガチャーンと

 音がして壊れそうで怖かったけど、これなら音もしなくて

 使い易くていい」と、物凄く喜んでいただけました。

 怪我の功名ということでしょうか?

 

 無事に納品でき、喜んで頂けたので良かったです!

 

 

  古いミシンから最近のミシンまでどこのメーカーのミシンでも

  修理受け付けております。

  状態によってはお電話で解決することもあります!

  お気軽にお電話下さい(*'ω'*)

         フリーダイヤル 0120-344-038