ミシン修理ブログ第31回 ベビーロック リトルロッキーLR3 糸調子がうまく取れない

 

  みなさん、こんにちは!スタッフです♪

 少し前まで朝晩が冷えるくらいでしたが、一気に気温も下がり、寒くなりましたね~

 寒さが苦手な私としましては、耐え難い冬の到来です(笑)

 既に、ほっかいろやネックウォーマー・アームウォーマー・

 ひざ掛けなど、装備しております…。

 冬眠したい気分ですが、冬は創作意欲も湧くので、

 どんどんミシンを使っていきたいと思います☆

 

  さて、今回の修理ブログは、またまたロックミシンです!

 ベビーロック、リトルロッキーLR3、糸調子がどうしても

 うまく取れないという事で、同業のミシン屋さんがもって来られました。

 一日お預かりして、一仕事終わった後に修理を始めました。

 

 プーリーを回してみると、油切れもしているようです。

 分解して、清掃し、グリスやオイルを注入しながら、

 針とルーパーの隙間とタイミング、下ルーパーと上ルーパーの

 隙間と糸を拾うタイミングをみて組んでいきました。

 特別、問題はありません。

 

 3つの糸調子ダイヤルも見てみましたが、

 調整器のお皿の中にゴミが詰まっている様子もなく、

 スプリングも異常ありません。

 とりあえず、全部組み立てて、3本、糸を通して縫ってみました。

 綺麗に縫いあがり、全く問題ありません。

 

 「糸のかけ方の順番を間違えたのではないですか?」

 と伝えようと思い、試し縫いの見本を付けて、その日は作業を終えました。

 

  夜、自宅に帰ってお風呂に入りながら、

 「でも、彼も何十年もミシン屋をやっているし、

 何か他の原因があって上手く縫えないのかもしれない」

 と考え直し、一般の人がやるような糸の通し方をして再度やってみることにしました。

 

 翌日、糸を外して、一般の方がやるように、

 下ルーパーワンタッチ糸通し器を使用して糸掛けをすると

 何度やっても糸調子が取れません。

 ワンタッチ糸通し器を使用すると、下ルーパーの

 一番奥の糸を通すところに上手くかからず、ミシンを動かすと糸が外れてしまいます。

 リトルロッキーLR3002.JPG

 糸通し器で、糸を一番奥のところに、しっかり掛けるには

 糸通し器がルーパーの奥のでっぱりよりも奥へ

 移動しなければなりません。

 リトルロッキーLR3001.JPG

 原因がわかったので、一部分を分解して、

 ルーパーのでっぱりを少しやすりで削り、動くようにしました。

 多分、何か無理をしたときに、下ルーパー糸通し器が

 変形したのでしょう。

 翌日お昼にお渡しすることができました。

 リトルロッキーLR3003.JPG

  ロックミシンは複雑な糸の絡み合いで、布を切りながら

 縫っていきます。なので、糸を掛ける位置にしっかりと

 かかっていないと、きれいに縫えません。

 

 糸調子の取り方ですが、縫い目が「涙のしずく形」になるように

 します。その形が一番綺麗に見えるからです。

 「涙のしずく形」になるように各糸の糸調子と布の切る深さを

 調整します。また、その形になった時が、糸が突っ張ったり

 緩みすぎたりしていない状態です。

 

 ミシンと同じようにロックミシンも糸目がきれいに見える時が、

 仕上がり状態が良いです。

 今、ミシンには便利な機能がついて使い易くなりましたが

 思いがけないトラブルがあることもあります!

 今回は少しでも参考になればと思い、紹介しました。