ミシン修理ブログ第33回 Singer fitline6200 動かない

 

  あけましておめでとうございます。

 新年のあいさつ及び更新が遅くなり、大変申し訳ありません。

 今年は、新商品、取扱い商品の更新もしていけたらと

 思っております。

 本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

  さて、新年最初の修理ブログは、Singer fitline6200です。

 モーターは動くが針が動かない、下糸巻き器は回るけれど

 巻けない、ということで他店様から相談を受けました。

 

 旧Singerのミシンにはよくあることで、固着しているのだろうと

 思っていましたが、それだけではない様子で、

 軸が低すぎてボビンも巻けないということです。

 ボビンの回り止めが抜けて無くなっているのではないですか?と

 話をすると、回り止めはついているが、軸が11.5m/m巾のボビンでは

 空回りするとのこと。

 Singerの以前の機種では、モナミ用のボビン10.5m/m巾を

 使用するようになっているものがありましたので、それを

 使ってみて下さいと話をすると、

 「とにかくどうにもならないから持って行く」ということで

 修理を受けました。

 

 ミシンを分解してみると、シャフトなどは油が固まって、

 動かないだけでしたので、簡単に直りました。

 下糸巻き器は、分解してみると、支点となるシャフトの

 Eリングが脱落して、下糸巻きゴム輪の軸が本体の構造部まで

 下がっていました。これが原因だったようです。

 singerfitline620001.JPG

 Eリングを取付、ゴム輪を交換して、ボビンの回り止めを

 正しい位置に取り付けて、下糸巻きをするとOKとなりました。

 

 全部組み立て、試し縫いをすると、返し縫いが出来ません。

 再度分解して、返し縫いが出来る様に調整すると、

 今度は縫い目の荒さが表示とかなり変わってしまいます。

 更に、ステッチダイヤルを回して、三重縫いや

 ふちかがり縫いにするとステッチの形が崩れてしまいます。

 何度調整しても駄目なので、返し縫いは止め縫いにして

 調整すると、縫い目の荒さもステッチの形も崩れません。

 singerfitline620002.JPG

 こんなことは今まで経験がなかったことなので、

 購入した時から不良品だった可能性があります。

 今あるSiungerさんとは別会社なので、

 部品も手に入らないようですし、これで先方さんに

 納得して頂き、納品となりました。

 singerfitline620003.JPG

 このミシンを販売したところも今は無く、

 連絡もつかなかったということでした。

 もし、購入した時に調子が悪かったら、交換してもらうか、

 直してもらうようにされると良いと思います。

 ほとんどのミシン屋さんは、きちんと対応して下さるはずです。

 

 今回は、珍しいケースだったので、ご紹介致しました。